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ブームに注意!?イーストスプリング・インド消費関連ファンドの高評価や評判を妄信するな!利回りや分配金を分析する

今後の成長が期待される新興国の中でも特にインドは注目され人気を集めています。


個人投資家

イーストスプリング・インド消費関連ファンドを検討しているんだけど実際どうなのかしら?


本記事ではインド株式で運用を行う投資信託「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」に注目して、投資すべきファンドなのかやめた方が良いのか解説していきます。投資を検討している方はぜひ参考にしてみて下さい


また、個別投信については別記事でも解説していますので良ければそちらもお読みください。

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目次

イーストスプリング・インド消費関連ファンドの運用コンセプト

イーストスプリング・インド消費関連ファンドの運用戦略

それではまずイーストスプリング・インド消費関連ファンドがどんな投資信託なのかから見ていきましょう。


インド株式に投資するのはもちろんですが名前に「消費関連ファンド」とあるように、流通・小売り・サービス業など消費者向けの事業を展開している銘柄に投資してきます。


運用プロセスは次のようになっています。



参照:交付目論見書


定量分析ー企業分析ーポートフォリオの構築という流れで銘柄選択をしていきます。プロセス自体は王道の流れだと言えるでしょう。


では、そもそもなぜこれだけインド株式は注目されているのでしょうか?インドという国の状況を深堀していきましょう。


なぜインドの経済成長が期待されているのか

新興国は基本的にこれから人口が増えて経済成長していくはずだと思われているので投資資金が集まっており、インドも例外ではありません。


新興国の一般的な流れとして新興国が先進国のようになっていくためには、中間所得者層の拡大が必要です。いつまでも一部トップの富裕層とその他大勢の貧困層だけではだめなのです。


ここでインドの名目GDPを見てみましょう。


参照:三菱UFJ銀行


インドでは名目GDPの約60%が個人消費となっています。つまり、個人の消費の伸びが国のGDPの伸びに直結するのです。


そして、インドの個人の消費額にはまだまだ十分すぎるほどの上昇余地があります。こちらの日本では当たり前ともいえる耐久消費財の普及率を見て下さい。


参照:三菱UFJ銀行


なんとインドではまだ日本でいう1960年代程度の普及率しか達成できていないのです。


「人口ボーナス期にあるインドが個人の消費財の上昇余地を十分に残しており、個人消費の伸びが国のGDPの伸びに直結する状況である」インドが注目されているのも納得ですね。


参考までに日本と中国の株式市場が人口ボーナス期にどれだけ成長したか見ておきましょう。


参照:三菱UFJ銀行


仮に今のインドが日本の1960年代と同じような状況にあるとすると、10倍~20倍の成長を見せても全くおかしくありません。


このような好条件だからこそインド株は注目されているのです。


イーストスプリング・インド消費関連ファンドは新NISAで運用できる?

続いて、イーストスプリング・インド消費関連ファンドの詳細について見ていきましょう。まずはNISAに対応しているか確認しておきましょう。


イーストスプリング・インド消費関連ファンドは新NISAの「成長枠投資」に対応しています。



そして、ただ対応しているだけではなくなんと「第1回 ウエルスアドバイザーアワード -Wealth Advisor-“新NISA成長投資枠” WA優秀ファンド賞」を受賞しています。


参照:WEALTH ADVISOR


新NISAの成長投資枠に対応しているファンドの中で表彰されるほどの優秀な成績を収めたという事ですね。素晴らしい結果だと言えるでしょう。


イーストスプリング・インド消費関連ファンドの手数料をチェック

続いてイーストスプリング・インド消費関連ファンドの手数料についてもチェックしておきましょう。


イーストスプリング・インド消費関連ファンドはインド株で運用する投資信託ですので同種の投信と比較してみましょう。


HSBCインド・インフラ株式オープン高成長インド・中型株式ファンドイーストスプリング・インド消費関連ファンド
購入時手数料最大3.85%最大3.85%最大3.3%
運用管理報酬年2.23%年2.0505%年1.9497%
信託財産留保額0.5%0.3%0.3%


イーストスプリング・インド消費関連ファンドの手数料は他二つと比べると若干安くなっています。ただ、そうはいってもインド関連の投信は全体的に手数料が高いですね。


イーストスプリング・インド消費関連ファンドはインド関連投信の中では手数料は若干安いか標準的ですが、投資信託全体の中では高い水準だと言えます。


独立系FP重永

新興国への投資はどうしても手数料が高くなりがちですね。

イーストスプリング・インド消費関連ファンドの評判や評価はどう?

さぁ、それではイーストスプリング・インド消費関連ファンドに関する世間からの評判や評価はどうなっているでしょうか。


イーストスプリング・インド消費関連ファンドがウエルスアドバイザーアワードを受賞しているのはNISAの章でご紹介した通りですが、それ以外にもなんとR&Iファンド大賞2024で優秀ファンド賞を受賞しています。


参照:eastspring investments


10年にわたる運用が評価されたうえでの優秀ファンド賞の受賞ですので、イーストスプリング・インド消費関連ファンドに対する世間の評判は良いと言えます。


イーストスプリング・インド消費関連ファンドの掲示板での評判・評価・口コミとは

続いて、個人投資家からの評判や評価もチェックしておきましょう。


個人投資家の口コミが見れるYahoo掲示板には以下のような口コミが見られました。


参照:Yahooファイナンス


最近は足踏みが続いていましたが、国際情勢も安定してきたので今後は上昇していくはずだという口コミですね。


本記事の冒頭の章でも解説した通りインドは好条件がそろっており、インド経済及び株価の上昇が期待されています。実際に投資している投資家もこういった期待感のもとに投資していることがうかがえますね。


続いての口コミはこちらです。


参照:Yahooファイナンス


直近の株価が伸び悩んでいることから弱気な口コミも見られました。どんな投資でも短期的にみれば落ち込むことはありますので、今後中長期的に見てインド株がどうなっていくかを検討することが重要です。


参照:Yahooファイナンス


こちらはインド企業の業績低迷に関する新聞記事に言及するコメントですね。短期的な株価の上下はさほど気にする必要はありませんが、実際に企業の業績が低迷しているとなれば話は別です。


もしかしたら、実際のインド経済の中でシナリオ通りに進んでいない部分や想定できていない要因があるのかもしれません。


良い口コミも悪い口コミもありましたが、個人投資家からのイーストスプリング・インド消費関連ファンドに対する評判は悪くないと言えそうです。


イーストスプリング・インド消費関連ファンドの組入れ銘柄トップ10

それでは、イーストスプリング・インド消費関連ファンドが具体的にどんな銘柄に投資しているのか見ていきましょう。


投資銘柄のトップ10はこちらです。


2024年10月31日時点

順位銘柄名業種比率
1ICICI銀行銀行6.2%
2バルティ・エアテル電気通信サービス6.1%
3サン・ファーマシューティカル・イ
ンダストリーズ
医薬品・バイオテクノロ
ジー・ライフサイエンス
6.1%
4ヒンドゥスタン・ユニリーバ家庭用品・パーソナル
用品
6.0%
5HDFC銀行銀行5.6%
6マルチ・スズキ・インディア自動車・自動車部品3.7%
7ゾマト消費者サービス3.5%
8アクシス銀行銀行3.0%
9インドステイト銀行銀行2.8%
10マヒンドラ・マヒンドラ自動車・自動車部品2.4%


消費関連ファンドというとつい自動車や家庭用品ばかりをイメージしてしまいますが、一番多く投資している業界は銀行です。


続いて「自動車・自動車部品」、「医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス」といった順番になっていきます。


さぁそれではこのような運用をした結果、これまでの運用成績はどうなっているのか見ていきましょう。


イーストスプリング・インド消費関連ファンドの運用成績は良い?悪い?

設定来の運用成績

まずは設定来の運用成績から見てみましょう。


参照:月次運用レポート


2008年の設立後、一時期下落しましたがその後は順調に右肩上がりで成長しています。特にコロナショック後からの成長が著しいですね。


ただ、1点気になるのは赤色「基準価格」と灰色「基準価格(分配金再投資)」の差ですね。かなりの金額が分配されていそうですので確認しておきましょう。


イーストスプリング・インド消費関連ファンドの分配金をチェック

イーストスプリング・インド消費関連ファンドの分配金の状況はこちらです。


参照:月次運用レポート


年によっては年間10%以上もの分配金を出しています。これはとても非効率な運用方法です。なぜなら、分配金を出すことで複利の効果を得られなくなってしまうからです。


この運用効率の低下についてもう少し詳しく見てみましょう。基準価格、分配金、基準価格(分配金再投資)をまとめると次のようになります。


2024年10月31日時点リターン
基準価格22.500円
分配金累計16,850円
合計39,350円(+293.5%)
基準価格(分配金再投資)74,442円(+644.4%)


分配金を出さずに複利の効果をふんだんに活用して運用していれば+644,.4%ものリターンを出せていたのに、分配金を出していたせいでわずか+293.5%のリターンにとどまってしまっているのです。分配金がどれだけ運用効率を低下させているお分かりいただけたでしょうか。

マーケットと比較する

さぁ、運用効率の悪化は非常に問題ですがいったんそれは置いておいて、運用成績を判断するためにインデックスとも比較しておきましょう。


グローバル投資として一般的な米国の株式インデックス、オールカントリー、エマージングマーケット、と比較してみます。


参照:WEALTH ADVISOR


結果は、S&P500>オールカントリー≒イーストスプリング・インド消費関連ファンド>エマージングマーケットですね。


さらに、これは分配金再投資基準ですので実際にはオールカントリーよりは大きく負けてエマージングマーケットくらいになることが予想されます。


インデックス投資よりも非常に高い手数料を払っているのに、多くのインデックス投資に負けてしまっているようではあえて選ぶ意味はないと言えるでしょう。


イーストスプリング・インド消費関連ファンドは今後どうなる?

さぁそれでは、イーストスプリング・インド消費関連ファンドは投資すべき投資信託なのでしょうか。やめた方が良いのでしょうか。


ここでインド株式市場のPERについてチェックしておきましょう。PERは株価の割高・割安を測る指標で数字が大きいと割高を意味します。


参照:野村アセットマネジメント


基本的に20程度で推移していますが、最近は22.9と若干高い状況となっていますね。


日本株が15程度であることを考えると、インド株は基本的に割高だと言えます。


独立系FP重永

今後のインド経済に期待できることは確かなのですが、みんながそれに気づいているためすでに株価が値上がってしまっているのです。このような株への投資はあまりおすすめできません。


このインド株式市場の状況に加えて、イーストスプリング・インド消費関連ファンドの手数料が高いことや分配金で運用効率が低下していることを考えると、投資する必要はないというのが結論です。


個人的におすすめのファンドについては下のランキング記事で紹介していますのでよければそちらも見てみて下さい。それでは!


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